白内障は目の中の水晶体が白く濁った状態のことをいいます。
白内障は水晶体のたんぱく質が変性することにより発症しますが、
原因には、代謝異常・加齢・遺伝性・先天性などが挙げられます。
犬の白内障は高齢になってから発症する病気と思われがちですが、若い年齢での発症も珍しくありません。
・若年性白内障
若い年齢(5~6歳まで)で発症する白内障で、進行が早く合併症を伴うことの多いタイプです。
どの犬種にも発症しますが、最近ではトイプードル・柴犬・アメリカンコッカースパニエル・キャバリア・チワワ・ヨークシャテリアなどの犬種が多いです。
・老年性白内障
加齢により6歳以上の年齢で発症する白内障です。進行は比較的ゆっくりなことが多いですが、発症初期は肉眼で確認しづらいので、眼科検査時に発見されることが多いです。
治療は白内障の種類と進行時期によって異なります
◆内科治療
・白内障の進行を予防する治療
老年性初発白内障(濁りが水晶体全体の15%未満)では進行予防を目的とした点眼薬が適応となります。
・白内障に伴う合併症に対する治療や予防
成熟白内障(水晶体全体が白い)に進行すると、合併症(炎症など)がみられることが多いため、合併症に対する治療や予防が必要となります。
◆外科治療
・白内障が進行して視覚が低下した場合は、視覚を回復させる治療は外科手術のみとなります。
(水晶体超音波乳化吸引術・眼内レンズ挿入術)
白内障は上記の原因以外にも糖尿病や他の目の疾患から続発して発症することもありますし、白内障が進行すると、ぶどう膜炎(目の中の炎症)や緑内障、網膜剥離などを発症し、痛みや失明につながりますので、白内障かなと思ったら早めの受診をお勧めします。
当院は白内障手術にも対応していますので、心配なことがありましたらご相談ください。